文学部を受けなかった、あの選択が今でも引っかかっている。
経済学部に進学して、なんとか卒業はできた。でも大学を出た後に、考えてもみなかった学部に強く惹かれている自分がいた。
これは、進学先を「興味」より「見栄」で決めた30代男性の話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:30代男性
・関連カテゴリ:進学・学歴の後悔/大学の学部選択
・体験形態:実体験ベース
・志望学部:法学部(第一志望)・経済学部・商学部など社会科学系
・進学学部:経済学部(卒業)
・気付いたタイミング:大学卒業後
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
法学部志望から経済学部進学へ
中学生の頃、テレビ番組で法律の話に興味を持った。法曹界に進みたいわけじゃなかったけど、「法学部って面白そう」となんとなく思っていた。
受験のときは、法学部を第一志望にして、経済学部や商学部も候補に入れた。社会科学系の学部、というふわっとした括りで選んでいた感じだった。
結果、法学部には1つも受からなかった。
大学名にはそれなりに満足していたから、学部のことは正直そこまで気にしていなかった。経済学部でも、まあ別にいいかと。
今思うと、その「まあ別にいいか」が、後の後悔の入り口だった。
そもそも自分の中で「大学で何を勉強したい」という気持ちはそこまで強くなかった。どちらかと言えば「いい大学に行きたい」という見栄が先に立っていた。だから学部の中身までは深く考えていなかった、というのが正直なところ。
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経済学部の勉強は、想像以上に難しかった
入学前に「経済学は数学を使うから、苦手だと苦労するよ」と言われていた。自分は数学が得意な方じゃなかったけど、なんとかなるだろうと軽く考えていた。
実際にはどうだったかというと、数学が必要な授業は一部だったので、そこは想定内だった。問題は、それ以外の授業も思った以上に頭に入ってこなかったことだった。
経済の理論も、グラフの読み方も、専門用語も、聞いている最中はわかったような気がするのに、教室を出ると何も残っていない。そんな授業がいくつもあった。
途中で出なくなった授業もあったし、単位を落としたこともある。
テスト前になると、教科書を眺めながら「これ、なんで履修したんだっけ」と思う瞬間があった。法学部に落ちて、なんとなくここを選んだから。それだけの理由で4年間を過ごしている自覚があった。
最終的に卒業はできた。でも「経済学部を選んでよかった」と思えた瞬間は、結局なかった気がする。
卒業後、まったく考えていなかった文学部に惹かれた
社会に出てから、不思議なことが起こった。
ふと文学に興味が湧いてきた。それも、ただ小説を読みたいというより、作者の思想とか、作品の背景にある哲学とか、そういう方向に。
受験のときは、文学部なんて1ミリも候補に入れていなかった。むしろ「女子学生が多くて肩身が狭そう」「自分には合わない」と無意識に避けていたところがある。
それなのに、卒業して数年経った頃から、ふと文学部の学科一覧を眺めて「ここ、面白そうだな」と感じるようになっていた。哲学にも興味が向いた。当時はまったく関心がなかった分野なのに、いざ調べ始めると、自分の今の悩みや疑問とつながる気がした。
「なぜあの時、文学部を受けなかったんだろう」
自分でも不思議だった。
経済学部であれだけ単位を落としかけた自分が、文学部だったらどうだったのかは正直わからない。ただ、勉強それ自体に興味が持てていた可能性は、少なくとも今より高かったんじゃないかとは思う。
母が文学部出身だったのに、なぜ話を聞かなかったのか
ここで思い出したのが、自分の母親が文学部出身だったということだった。
今になって考えると、もっと具体的に話を聞いておけばよかったと思う。文学部って何を勉強するのか、どんな雰囲気なのか、卒業した人がどんな進路に進んでいるのか。身近にサンプルがいたのに、自分は何ひとつ聞こうとしなかった。
なぜ無意識のうちに、文学部を候補から外していたのか。今もはっきりした答えは出ない。
たぶん、「いい大学に行きたい」という見栄が先に立っていたから、学部の中身までは見ていなかったんだと思う。社会科学系のほうが世間的に「無難」に映る、みたいな感覚もあったかもしれない。
そういう意味では、母が身近にいたのに見落としたというより、自分の中の偏った優先順位が、母の存在ごと視界から消していた感じに近い。
興味も人も、時期で変わる
大学受験を振り返って強く感じたのは、人の興味や感性は時期によって本当に変わるということだった。
似たような体験は、ほかにもあった。
例えば洋服を買うとき。買った瞬間は「欲しい」と思っていたのに、家で着てみると意外と気分が乗らないことがある。買う前に夢中だったものが、買った後に急に色褪せる感覚。あれと少し似ている気がする。
今の興味は、あくまで今の話で、5年後10年後はわからない。
これは逆もある。今は興味がない分野でも、いずれ強く惹かれる日が来るかもしれない。自分にとっての文学部が、まさにそうだった。
学部選びをやり直せるなら
もう自分が大学を受け直す可能性はほぼないけど、もし仮にやり直せるなら、文学部を真ん中に据えて考えると思う。
ただ、それだけに絞るかというと、たぶんそうしない。
今は文学部に惹かれていても、その気持ちもいつかまた変わるかもしれない。だから、今の感情で全部決めるんじゃなくて、興味のない分野も含めて少し広く候補を見ておくと思う。
これは大学受験に限った話じゃなくて、人生のいろんな選択にも言える気がする。今その瞬間の気持ちだけで決めると、後で「なぜあの時もう少し広く見なかったんだろう」と思う場面が、たぶんまた来る。
正解だったかどうかは、今でもわからない。経済学部に行ったからこそ気付けたことも、たぶんあるはずだし。
ただ、その「わからなさ」を受け入れたうえで、それでも少しでも広く候補を見ておくしかないんだろうな、と最近は思っている。
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編集部より
この記事で効くのは、「いい大学に行きたい」という見栄が先に立った結果、学部の中身どころか、文学部出身の母という身近なサンプルまで視界から消えていたことです。受験期に持っていた興味の地図と、社会に出てから広がった地図は、まるで違う形になることがあります。本人にとって意外だったのは、当時1ミリも候補に入れなかった文学部や哲学に、卒業後ふと強く惹かれたこと。興味も感性も、時期によって変わるものなのでしょう。だからこそ、いまの気持ちだけで全部決めず、関心の薄い分野も含めて少し広く見ておくことが効く。そして学び直しは、社会人向けの聴講・通信制・編入など、当時とは違う形で今からでも開かれています。
困った時の選択肢
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進路も仕事も、世間体や「無難さ」で選ぶと、後から「本当はこっちだった」と気づくことがあります。自分が何に惹かれているのか、考え方のクセや興味を言葉にして整理していく自己理解・セルフケアのアプリです。
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そのほか、状況に合わせて選べる窓口もまとめておきます。
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当時は興味のなかった分野ほど、大人になってから面白さに気づくこともあります。気になったテーマの一冊を、まず無料で読む・聴くところから試せます。
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「本当にやりたいこと」や興味を一度書き出して整理しておくと、進路や学びの選択で迷いにくくなります。なりたい自分や目標を記録できるノートは、興味を言葉にしておきたい人に選ばれています。

