「先に行ってるよ」と、何度も声をかけた。
それでも妻は、ゲームの画面から目を離さなかった。子供が話しかけても、聞こえていないみたいだった。
間に合わないから、僕は子供二人を連れて先に家を出た。歩いて五分の会場に、妻は三十分経っても現れなかった。
電話をすると、返ってきたのは「置いていったんだから、ひとりでどうにかできるんでしょ?」という一言。
これは、価値観の合わない妻との結婚生活を、それでも続けている三十代の僕の話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:30代・男性
・関連カテゴリ:結婚・離婚(価値観の不一致・夫婦関係)
・体験形態:実体験ベース
・婚姻状況:結婚継続中(子ども2人)
・体験時期:2020年代(現在進行形)
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
子供ができてから、妻と僕の両親の仲が壊れた
妻は、結婚した当時から家事をあまりしない人でした。それでも、二人だけのうちは、なんとかやれていたんです。
歯車が狂いはじめたのは、子供ができてからでした。
僕の両親と妻――妻からすれば義実家ですが――が、とても仲が悪くなってしまって。きっかけは、僕の何気ない一言と、両親の一言。今となっては、どれが決定打だったのかもよく分かりません。
ただ、孫に会いたい両親と、会わせたくない妻。その板挟みになったのが僕でした。
どちらの気持ちも分かるだけに、何も言えなくなる。家の中に、説明のつかない緊張がずっと漂うようになりました。
実家の集まりのあと、妻の逆鱗に触れた日
あるとき、僕の実家で親戚が集まる機会がありました。兄弟の子供たちも来る、にぎやかな集まりです。
僕も子供を連れて顔を出して、夕方に帰ってきました。
そうしたら、なぜか妻の機嫌が、ひどく悪くなっていて。何が地雷だったのか、僕には分かりませんでした。
家に帰ってからの妻は、何も喋らないし、何もしない。ただ黙って、ずっとゲームを続けていました。
仕方なく、僕が家のことを全部やって、子供を寝かしつけて。
朝、起きたら、妻からLINEが来ていました。ずっと不満が溜まっている、という長い文章。そこには、「離婚も考えた」と書いてありました。
その四文字を見たときの、胃が落ちるような感じは、今でも覚えています。
相談する相手のいない妻と、離婚に怯えるようになった僕
妻は、リアルで会う友達がとても少ない人です。家のことや子育てのことを、気軽に相談できる相手がいない。
だから、情報はほとんどネットから得ていました。
でもネットって、自分の欲しい言葉だけを拾ってこられてしまう。妻も、自分を肯定してくれる情報ばかりを集めているように、僕には見えました。
「離婚も考えた」と言われてから、僕の暮らし方は変わりました。
妻の機嫌を損ねないように、怒らせないように。離婚という二文字に怯えながら、毎日を過ごすようになったんです。
子供がいるので、僕は基本的に、離婚はしたくありませんでした。
夕飯以外はしない家事と、それでも増えた家族
妻は、夕飯を作る以外の家事は、基本的にしません。
そして、何か文句を言うと、すぐに不機嫌になる。そうなると、夕飯づくりすらしなくなって、家の中の空気がとことん重くなる。
僕は、その空気にどうしても耐えられなくて。だから文句も言わず、黙々と家事をやることにしました。
機嫌を取るというより、平穏を買っている、という感覚に近かったかもしれません。
そんな中でも、ありがたいことに二人目の子宝に恵まれました。家族は増えたけれど、家の中の力関係は、何も変わりませんでした。
時間を守らない妻と、いつも遅れる家族の行事
夜は「寝かしつけがあるから」と、いつも先に寝てしまう妻。
朝は「低血圧だから起きられない」と、ずいぶん後になって起きてくる。
自分の都合を優先して、時間を守らない。どこかに出かけるにも、いつも妻を待たないと出られなくて。子供の入園式をはじめ、いろいろな行事は、たいてい集合時間に遅れていました。
時間を守るのは当たり前だと思って生きてきた僕には、これがどうしても受け入れられませんでした。人の時間を奪っている、という感覚が、妻にはないように見えたんです。
どれだけ急かしても、返ってくるのは文句ばかり。
「女は準備に時間がかかるの」「あなたがそのほかの準備をすればいいじゃない」
そう言われると、もう何も言えなくなりました。
子供を連れて先に行った日、妻は来なかった
ある日、子供が近所のイベントに行きたいと言って、十五時に家を出ようと、前もって決めてありました。
ところが当日、十五時になっても、妻はまったく支度をしていない。ずっと、ゲームを続けたまま。
僕と子供が話しかけても、無視して画面に夢中でした。
もう出ないと間に合わないので、僕は子供二人を連れて、先に会場へ向かいました。もちろん、「先に行ってるからね」と声をかけてから。
でも、いくら待っても、妻は来ませんでした。
あんまり気配がないので電話をすると、こう言われたんです。
「わたしを置いていったんだから、ひとりでどうにかできるんでしょ? わたしが必要ないから、ひとりで行ったんじゃないの?」
出かける時間も伝えてあったし、先に行くことも言ってありました。なのに妻は、「時間なんて聞いていない」の一点張り。
歩いて五分で着く会場に、妻が来るまで三十分かかりました。
その時間、子供と二人で妻を待ちながら、僕はぼんやり思っていました。この人とは、本当に価値観が合わないんだろうな、と。
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お財布は別、それでも負担は僕に偏っていった
うちは、僕と妻でお財布を別にして暮らしています。妻は金遣いが荒いところがあるので、全部のお金を渡すのは、どうしても気が進まなくて。
ただ、いつの間にか、負担の割り振りはおかしなことになっていました。
妻が払うのは、食費と子供の保険だけ。
家のローン、光熱費、トイレットペーパーやティッシュ、洗剤などの消耗品、ネットにかかるお金。こういった支出は、ほとんど僕が払うようになっていたんです。
妻は何かにつけて、「自分は時短勤務だから」「奨学金を返しているから」と理由をつけて、いろいろな支払いを僕に回そうとしました。
僕が「金銭的に厳しい」と言うと、返ってくるのはこんな言葉です。
「世帯主でしょ」「そんなのも払ってくれないなんて、優しくない」「そんなにお金が厳しいなら、転職したら?」
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転職を考えても、踏み切れない理由
転職を考えたことは、何度もあります。
でも、妻の家事のやらなさ具合を目の当たりにすると、僕が転職したら、しわ寄せは子供たちにいくんじゃないかと思ってしまうんです。
今の職場は、家から近くて、時間の融通もかなりききます。だから、子供の送り迎えもできるし、何かあったときも、僕のほうが先に迎えに行ける。
そう考えると、なかなか動けない。収入を増やしたくても、家庭がまわらなくなる気がして、踏み切れずにいます。
家のことも子育ても妻に頼れず、腎盂腎炎になっても心配されなかった
妻は、基本的に人付き合いが好きではありません。だから、子供の学校行事なども、僕が参加しています。
家事はほとんどやらない。お金の負担もかなり少ない。子育てもしなければ、近所付き合いにも出ない。
そして、ある時、僕は腎盂腎炎になりました。男性ではなりにくい病気らしく、原因はストレスだと言われました。
それでも、妻からはほとんど心配してもらえませんでした。
熱で動けない体で天井を見ながら、僕はこの結婚生活の意味を、ずっと考えていました。
子供たちの手が離れたら、たぶん僕は離婚する
家事も、子育ても、近所付き合いも、お金の負担も。気づけば、結婚生活のほとんどを、僕がひとりで背負っていました。
正直に言えば、もう、一緒に暮らしている意味を見いだせなくなっています。
それでも、今日も僕は機嫌を損ねないように、黙って家事をやっています。子供たちがまだ小さいから。離婚で、この子たちの生活を揺らしたくないから。
子供たちがもう少し大きくなって、手が離れたら。そのときは、たぶん僕は離婚すると思います。
それが正しい選択なのかは、今でも分かりません。あのとき、どう動いていれば違ったのかも、よく分からないままです。
ただ、同じように家の中で静かにすり減っている人に、これだけは言いたい。我慢して平穏を保つことと、自分を後回しにし続けることは、よく似ているけれど、たぶん違うものです。
夫婦の価値観のズレに、ひとりで消耗している人へ
価値観の不一致って、大きな事件で決定的になると思われがちですが、本当にこたえるのは「時間を守らない」「家事をしない」といった、日常の小さな積み重ねのほうだったりします。
そして、機嫌を損ねないために我慢を続ける関係は、片方だけが静かにすり減っていきます。
もし今ひとりで抱えているなら、すぐ結論は出さなくても、状況を整理する手立てだけは持っておいてほしいと思います。
困った時の選択肢
【離婚が、頭をよぎりはじめた方へ】
すぐに結論を出さないとしても、子供がいる場合、いざ離婚を考えたときに不安になりやすいのが、その後の養育費です。養育費保証PLUSは、取り決めた養育費が支払われなかったときに備えるためのサービスで、離婚を視野に入れはじめた段階の情報集めにも向いています。
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そのほか、状況に合わせて選べる窓口もまとめておきます。
・家計やお金の負担の偏りを、一度整理したい
→ お金の専門家に無料で相談する(おかねと暮らしの相談窓口)
・誰かに話して、夫婦のことを整理したい
→ オンラインカウンセリング cotree
・まず自分の気持ちの整理・自己理解から始めたい
→ 心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)
公的な窓口としては、離婚や夫婦の問題に関する法律相談なら法テラス、気持ちが限界に近いと感じるときはよりそいホットラインが、無料で相談に乗ってくれます。
夫婦のすれ違いや、自分の気持ちの置きどころに迷ったとき、気になった一冊を、まず無料で試す方法もあります。
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その日に感じた小さな違和感を書き留めておくと、後から自分の気持ちを振り返る手がかりになります。気持ちを整理したい方は、こうした記録を残せる一冊を手元に置いておくのもひとつの方法です。
