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ショートスリーパーに憧れて睡眠を削った30代の後悔|頭痛と眩暈で目が覚めた40代女性の話

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この記事は約13分で読めます。

夜中の1時、家族が静かに眠った部屋で、私は冷たいコーヒーを片手に分厚い専門書を開いていた。

「みんなが寝てる間に知識を蓄えてるんだから、これで一歩差がつくぞ」と本気で思いながら。

でも翌朝、目が覚めた瞬間に頭はハンマーで殴られたように痛み、立ち上がろうとしたら視界がグニャリと歪んだ。

これは、「デキる人はショートスリーパー」というフレーズを本気で信じて、3ヶ月で過労寸前まで自分を追い込んだ40代女性の話です。

体験者プロフィール

・年代・性別:40代・女性

・関連カテゴリ:健康・生活習慣の後悔

・体験形態:仕事に追われ睡眠時間を削った生活

・当時の年代:30代の頃

・現在の状況:7時間睡眠を死守してパフォーマンスも安定

プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

「デキる人はショートスリーパー」に毒された30代の私

ネットを開いても本屋に行っても、『デキるビジネスパーソンはショートスリーパー!』みたいな見出しをやたら目にする時期があるじゃないですか。

30代の私は、それを真に受けてしまった人間でした。

人間にはそれぞれ必要な睡眠時間があるはず、なんてことは頭ではぼんやり分かっていたのに、「気合いと慣れで短くできるはず」と本気で信じ込んで、自分の体を実験台にし始めたんです。

睡眠を削ることが、忙しい毎日を有効活用して人生を一段豊かにするための最強のライフハック。当時はそう思っていました。

……今振り返ると、その「最強の」って枕詞の時点でもう怪しいんですけどね。当時の自分はその手の本に出てくる「成功者」の真似事をしていただけで、自分の体に何が起きるかなんて、1ミリも想像していませんでした。

仕事を片付けるには寝る時間を削るしかないと思った

きっかけは、ものすごく単純です。

当時、どうしてもこなさないといけない仕事量が多くて、定時の中だけじゃ絶対に終わらない。タスクに追われて毎日精神的にギリギリで、家に帰ってからもメールの文面が頭の中でちらつき続けているような状態でした。

「終わらない、でも時間が足りない……じゃあ寝る時間を削ればいいじゃん」

そんな短絡的な答えにたどり着いたのが、たぶん運の尽きでした。

24時間のうち、これまで7時間くらい寝ていたのを、3〜4時間まで減らせば、使える時間が3〜4時間も増える。単純計算で1日が28時間になるようなものだ、と本気で思っていたんです。

今振り返ると、その「単純計算」が一番のクセモノだったんですよね。睡眠を削るのは「使える時間を増やす」ことじゃなくて、「翌日のパフォーマンスを差し引く」こと。当時の私はそれを1ミリも分かっていませんでした。

夜中の1時、静まり返った部屋で資料を読み漁った

夜中の1時、2時。家族がみんな静かに眠った後、リビングの隅で、私はひたすら仕事の専門書や分厚い資料を読み漁っていました。

静まり返った部屋に響くのは、資料のページをめくる音と、自分の浅い呼吸だけ。頭がぼーっとしてくると、冷たいまま放置していたコーヒーをぐいっと飲んで、無理やり眠気を叩き起こす。

「みんなが寝てる間に、自分はこんな難しい資料を読んで知識を蓄えてるんだ」
「これで周りの同期に一歩差をつけられる」

そう自分に言い聞かせていました。

睡魔でカクッと首が折れそうになる瞬間も、「これは訓練。ここで寝たら負けだ」と言い聞かせて踏ん張る。今思うと、なんでそんな根性論を自分にかけてたんだろう、と少し笑ってしまいます。

「選ばれしショートスリーパーの領域に近づいてる」って、本気で思ってましたから。

職場では褒められ、家では叱られた板挟みの日々

このショートスリーパー生活がやっかいだったのは、評価がきっぱり二分されたことです。

夜中にガサゴソと資料を読んでいる私を見つけて、家族は呆れたように言ってきました。

「もう夜中の何時だと思ってるの。お願いだから早く寝てよ。体壊すよ」

うるさいなぁ、こっちは遊びで起きてるんじゃないんだから、と心の中で口を尖らせる。

一方、その睡眠を削って仕上げた資料を翌朝の会議に出すと、上司や同僚から、

「陰でめちゃ努力してるんだね、すごいよ」

と褒めてもらえる。これがけっこう、効くんです。寝不足で頭がフラフラの状態で、その褒め言葉だけが妙にクリアに耳に届く。

家では「不健康だからやめろ」と止められて、職場では「陰の努力が素晴らしい」と讃えられる。完全に真逆の言葉に挟まれて、私はだんだん職場の言葉の方を信じるようになっていきました。

寝不足で頭がズキズキしても、「この痛みを乗り越えた先に、選ばれた領域があるんだ」と、ますます根性論に振り切っていく。

今思えば、家族の方が圧倒的に正しかったんですけどね。

3ヶ月目、頭痛と眩暈で文字が読めなくなった

無茶な生活を「気合い」で踏ん張って続けたのが、だいたい3ヶ月くらい。

最初の1ヶ月は緊張感で乗り切れて、2ヶ月目もまだなんとか体は動いていました。でも3ヶ月目に入ったあたりで、それまで蓄積していたツケが、いっせいに体から噴き出してきました。

朝、目が覚めた瞬間から、頭の芯をハンマーで殴られているような頭痛がずっと止まらない。

普通に真っ直ぐ歩いているつもりなのに、視界がグニャリと歪んで、地面が揺れているような感覚に襲われる。

ある日、仕事の資料を読もうとしたら、頭痛のせいで文字が完全に滑って、1行の内容すら頭に入ってこない。

ショートスリーパーになって仕事の効率を上げる、はずだったのに。頭痛のせいで効率はゼロどころかマイナスになっていて、私はリビングの椅子に座ったまま、しばらくの間、ただ呆然としていました。

それでもまだ、「もう少しだけ続ければ慣れるかも」とどこかで思っていたんだから、本当に怖いです。

睡眠記録アプリで突きつけられた、自分の眠りの実態

ボロボロの生活をどうにかしないと、と思って、最後にすがったのが睡眠記録アプリでした。

枕元にスマホを置いて寝るだけで、どれくらい深く眠れているか、夜中に何回目が覚めているかを自動でグラフ化してくれる、というやつ。

恐る恐る使ってみたら、画面に出てきたのはひどい結果でした。

私が「4時間寝た」と思っていた時間のうち、深い睡眠と呼べる時間はほとんどなくて、体動と浅い睡眠ばかり。グラフの色がほとんど黄色とオレンジで、深い青の部分が極端に少ない。

「あ、私の睡眠、ゴミレベルだったんだ」

そう声に出してしまいました。

「短い睡眠でも質を上げれば大丈夫」みたいな話も、ちらほら聞いていたんです。でも実際の自分の睡眠は、「短くて、しかも質も最悪」というダブルパンチで、頭痛が止まらないのも当たり前だった。

データで突きつけられて、ようやく私は観念しました。

睡眠は、削るものじゃなくて土台だった

おとなしく「7時間以上は寝る」というごく普通の生活に戻して、夜11時には電気を消してベッドに入るようにしました。

すると、本当にあっけないくらいすぐに、あの頭痛も眩暈も消えていきました。

3ヶ月かけて壊した体は、戻すのに少し時間こそかかったけれど、何より痛みが消えていく感覚に、私はようやくホッとしたんです。

その時に思ったのは、ショートスリーパーって、努力や気合いで後からなれるものじゃなくて、生まれ持った体質で最初から決まっているんだろうな、ということ。

そう言っちゃうと身も蓋もないけれど、背の低い人が「明日から身長を20センチ伸ばします」って宣言するのと、たぶんそんなに変わらない。私はそれを睡眠時間でやろうとしていたわけで、そりゃ無理が来るに決まっています。

睡眠時間は削るものじゃなくて、明日を元気に生きるための土台。今はそう思います。

40代になってからの方が、30代の頃よりよっぽどパフォーマンスが安定しているのは、たぶんちゃんと寝ているからだと思うんです。

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同じように睡眠を削っているあなたへ

書店の「ショートスリーパーになれる!」という本に手を伸ばしかけている人がいたら、ちょっとだけ私の話を思い出してほしいです。

あの手の本に書いてあるのは、生まれつき体質が特殊な、ほんの一握りの人の話。一般人が同じことをやっても、再現できるとは限らない。むしろ、私みたいに3ヶ月で過労寸前まで行く確率の方が、たぶん高いんじゃないかと思います。

職場から「陰で努力して偉い」と褒められても、体を壊したら会社は責任を取ってくれません。目の下に真っ黒なクマを作ってゾンビみたいになっても、誰もそれ以上は助けてくれない。

明日からじゃなくて、今夜寝る前にちょっとだけ思い出してくれたら嬉しいです。仕事の資料は朝に回しても、たぶんなんとかなります。スマホは枕元から少し離して、7時間以上寝てみる。

それで人生のけっこう多くの問題が、ほんの少しだけ軽くなる気がします。少なくとも、3ヶ月後の自分の顔色は、たぶん全然違うはずです。

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編集部より

この記事の入り口は、「7時間を3〜4時間に削れば、使える時間がそのぶん増える」という単純計算でした。けれど睡眠を削ることは「使える時間を増やす」ことではなく、「翌日のパフォーマンスを差し引く」こと。削ったぶんは、寝不足で相殺されてしまいます。必要な睡眠時間は遺伝的な体質に左右される部分が大きく、努力や気合いで縮められる領域ではないとされています。無理に削れば、頭痛や眩暈、自律神経の不調として体に跳ね返ってくることも少なくありません。睡眠は減らす対象ではなく、明日の自分を支える土台。そう捉え直すことが、同じ後悔を防ぐ手がかりになります。

困った時の選択肢

【「頑張れば何とかなる」で、つい自分を追い込んでしまう方へ】
睡眠や休息を削ってでも、と無理を重ねてしまう背景には、「もっとやらないと」という思考のクセが隠れていることがあります。まず自分がどんなときに自分を追い込みやすいのか、その傾向に気づくところから。AIと対話しながら気持ちを整理できるセルフケアアプリです。
心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)

そのほか、状況に合わせて選べる窓口もまとめておきます。

・気持ちを誰かに話して整理したい
 → オンラインカウンセリング cotree

頭痛や眩暈、自律神経の不調が続くときは、我慢せず早めに医療機関へ。こころの相談は、よりそいホットライン(0120-279-338・無料)が24時間つながります。

睡眠や生活習慣の整え方をめぐる本は、たくさんあります。気になった一冊を、まず無料で試す方法もあります。
・読んでみる
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睡眠は、時間だけでなく環境も土台になります。アイマスクは、光を遮って眠りに集中したい人が、まず手軽に環境を整える一歩として選んでいます。

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