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『今しか乗れない』と2台目スポーツカーを買った25歳の後悔|30代男性が貯金を失った話

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30歳、独身、実家暮らし。地方の中小企業で製造業に勤めて、年収はおよそ300万円。

そんな自分にとって、唯一「他人より誇れる」と思っていたものが、車でした。18歳の頃から、家計簿をつけたら泣きたくなるレベルでお金を注ぎ込み続けて、累計で1000万円以上。そして25歳のとき、2台目のスポーツカーを現金一括で買いました。

そこから、貯金は本当に消えていきました。

これは、「買える」と「維持できる」は全く別物だと、貯金が尽きるまで気がつけなかった、30代男性の後悔の話です。

体験者プロフィール

・性別・体験当時の年代:男性・20代

・関連カテゴリ:お金・買い物の後悔(高額な趣味への過剰投資・衝動買い)

・体験形態:実体験

・当時の状況:地方の中小企業勤務(製造業)・社会人7年目・実家暮らし・年収約300万円(手取り月22万円)

・経験:18歳から累計1000万円超を車に注ぎ込む→25歳で2台目スポーツカーを現金100万円で衝動買い→月16万円の維持費で貯金枯渇→大切な1台目に自分で傷をつける

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

「車だけは負けたくない」、25歳の私のプライドだった

25歳の自分は、社会人7年目。地元の中小企業で製造業の仕事をしていて、毎月の手取りは22万円ほどだった。実家暮らしだったから、生活費はほぼかからず、月15万円前後は自由に使えるお金が残っていた。

家庭内で揉め事があるわけでもなく、客観的に見れば、何の不満もない安定した生活だった。

でも、その安定が逆に、自分の中に小さな不安を膨らませていた。

周りの友達は結婚したり、一人暮らしを始めたり、人生をきちんと前に進めていく中で、自分だけが地元の実家で、何も変わらない毎日を続けている。胸を張って「これが俺のやってきたことだ」と言えるものが、自分には何ひとつなかった。

ただ、そんな自分でも、ひとつだけ誇れるものがあった。

それが、車だった。

「車だけは誰にも負けたくない」。そういう、妙なプライドが、20代の自分の真ん中に居座っていた。

18歳から累計1000万円超、車だけは特別な存在だった

18歳で免許を取って、すぐに親に頼んで、ずっと憧れていたスポーツカーを買ってもらった。

その車は、自分にとって本当に特別な存在だった。「移動手段」では断じてなくて、感覚としては「自分自身」というか、もうほぼ身体の一部だった。

そこから数年間、その1台にかけた金額は、自分でも怖くて正確に数えていない。修理、メンテナンス、カスタム……合計したら、たぶん総額1000万円は軽く超えていたと思う。

普通に考えれば、頭がおかしい金額だ。

でも当時の自分は、「この車を最高の状態で維持し続けたい」という気持ちでいっぱいで、後悔した瞬間は……正直、一度もなかったと言えば嘘になる。けれど、後悔より「楽しい」が勝っていた。

このまま、この1台と一緒に年を取っていく。当時はそれで十分のはずだった。

SNSで見つけた100万円のスポーツカーに、本気で恋をした

そして25歳のとき。

ネットとSNSをぼんやり眺めていたある日、目に1台のスポーツカーが飛び込んできた。

価格はおおよそ100万円。

「練習用としても使える」

「これに乗ったら、もっと運転がうまくなるかもしれない」

「今のうちに、こういう車を経験しておくべきじゃないか」

そんな考えが、頭の中をぐるぐる回って離れなくなった。

冷静に状況を見たら、そのときの貯金は約300万円。そのうちの100万円を、「もう1台の車」のために一括で吐き出すというのは、本来かなりリスクのある決断だったはずだ。

でも、自分はその「冷静な状況」のほうを見ようとしなかった。

「今しか乗れない」

「若いうちに経験しておくべきだ」

そう自分に言い聞かせて、私はその車を、現金一括で買った。

納車日、『これで人生が変わる』と本気で思った

納車されたあの日のことは、今でもはっきり覚えている。

「格安で手に入れた」

「これで人生が変わる」

「周りより、一歩だけ上に行けた気がする」

そういう高揚感に、まるごと包まれていた。

正直、テンションはかなりイカれていたと思う。

最初の半年間は、本当に楽しかった。週末になると必ずどこかへドライブに出かけて、その様子をSNSに投稿しては、増えていく「いいね」の数に満足していた。

「自分の選択は間違ってない」

そう、心のどこかで確信していた。むしろ、確信したかった、というほうが近いかもしれない。

月16万円の維持費が、手取り22万円を飲み込んでいく

でも、そんな生活は長くは続かなかった。

「スポーツカー2台を維持する」という現実は、自分が想像していたよりも、ずっと重いものだった。

ざっくり、月の車関連の支出はこんな感じだった。

・パーツ代:月およそ8万円

・ガソリン代:月2〜3万円

・その他、消耗品や突発的な修理

ぜんぶ合わせると、毎月およそ16万円。手取り22万円のうちの、ほとんどが車に消えていった。

当然、貯金は1円もできない。

それどころか、月によっては元の貯金を取り崩してまかなう状態だった。

さらに重たかったのが、車検やタイヤ交換のような「まとまった出費」だ。数万円じゃ済まない。10万円、20万円が一気に飛んでいく。そのたびに、自分の中の余裕が、確実に削れていった。

気がつくと、友達からの飲みや遊びの誘いも、断ることが増えていた。

「ちょっと今月キツくて」と一度言ってしまうと、しばらく誘いが来なくなる。そしていつの間にか、距離ができていく。

「車だけは誰にも負けたくない」と決めていた自分が、車のせいで、ゆっくりと他のものを失い始めていた。

大切な1台目に、自分の手で傷をつけた日

決定的だったのは、軽い接触事故だった。

事故というほどの大きなものではなかったけれど、18歳のときに親に買ってもらった、大切な大切な1台目の車に、自分で傷をつけてしまった。

修理費は、約18万円。

保険を使うかどうかかなり迷ったけど、結局は自費で払った。

そのときの絶望感は、今でも、本当にはっきり覚えている。

「何やってるんだ自分は」

「一番大事にしていた車を、よりにもよって自分の手で傷つけた」

後悔と自己嫌悪で、頭の中はぐちゃぐちゃだった。

「俺は2台のスポーツカーを大事にできる人間だ」というプライドが、ほぼ一夜にして、自分の中で音を立てて崩れた感覚があった。

『買える』と『維持できる』は、まったく別の話だった

あの経験から学んだことは、たぶんいくつかあるけれど、整理してきれいに3つ並べたいわけじゃない。

ただ、ひとつだけ、今でも繰り返し思い出すことがある。

「買える」と「維持できる」は、別物だ。

あのときの自分は、確かに100万円を一括で払う力はあった。けれど、その車を長期的に維持できる体力(経済的にも、精神的にも)は、自分にはなかった。

そして2台持ちは、想像以上にしんどい。

どちらの車も大切にしたいと思っていても、現実にはどちらかが必ず疎かになる。手も、お金も、時間も、ひとつしか分けられないからだ。

結果として、両方とも、中途半端な向き合い方になってしまった。

あとひとつだけ言うなら、「不安が判断を狂わせる」ということを、もっと早く知っておきたかった。

本当は「この1台で十分」と決めていたはずなのに、「もっと評価される車に乗らないと」「今のうちに別の選択肢を持っておかないと」。そういう、よくわからない焦りに、自分は呑まれていた。

新しい車に逃げたのは、つきつめると、自分の人生そのものから、ちょっとだけ目を逸らしたかったからだったと思う。

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もし、25歳の自分にひとことだけ言えるなら

今の自分は、当時よりは少しだけ、現実的にものを考えるようになった。

車は今でも大好きだ。これからも好きでいると思う。でも、「自分の生活そのものを犠牲にしてまで守るものではない」ということは、ちゃんと分かるようになった。

もし、当時の25歳の自分に、たった一言だけ声をかけられるとしたら、こう言いたい。

「その選択、本当に、未来の自分が納得できるか?」

ただ、それだけ。

あのときの自分は、もっと真剣に、この問いを自分に投げかけるべきだった。

そして同じように、今この記事を読んでくれているあなたが、何か大きな買い物を前にして、ちょっとでも「今買わないと損する気がする」「これで人生が変わるかもしれない」と感じているなら。

買う前に、いったん深呼吸して、自分にこの一言だけ問いかけてみてほしいです。

「その選択、本当に未来の自分が納得できるか?」

それだけで、ちょっとだけ未来の後悔が、減るかもしれません。

関連記事:営業の見栄で85万円の腕時計を分割で買った28歳の後悔|2年後の売却損33万円と削った生活

編集部より

この記事の核心は、「買える」と「維持できる」を取り違えたことです。100万円を一括で払う力はあっても、手取り22万円の家計に月16万円の維持費は続かない——車検やタイヤ交換まで足せば、年間100万円を軽く超えます。実家暮らしで生活費が軽いと可処分所得の体感が大きくなり、長期コストの想像が追いつきにくい。さらに「今買わないと損」という焦りは、行動経済学でいう機会損失への過剰反応に近く、若年層の高額消費でよく見られます。大きな買い物は、購入価格ではなく「向こう3〜5年の維持トータル」で見ることが、家計を守る分岐点になります。

困った時の選択肢

【「買える」と「維持できる」を、ちゃんと分けて考えたい方へ】
高額な買い物の判断は、勢いや焦りに流されやすいもの。一度プロに家計の全体像を見てもらうと、「いま無理なく払える額」と「長く維持できる額」の線引きがはっきりします。ファイナンシャルプランナーに無料で相談できる窓口です。
おかねと暮らしの相談窓口(FPへの無料相談)

そのほか、状況に合わせて選べる窓口もまとめておきます。

・「今買わないと損」の焦りや、衝動買いの背後にある不安に気づきたい
 → 心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)

・お金や買い物の悩みを、誰かに話して整理したい
 → オンラインカウンセリング cotree

暮らしやお金の不安は、よりそいホットライン(0120-279-338・無料)でも相談できます。

お金との付き合い方や、後悔しない買い物の考え方をめぐる本は、たくさんあります。気になった一冊を、まず無料で試す方法もあります。
・読んでみる
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