「そんな相手と結婚するなんて、ずいぶんと理想を下げたね」
これは、海外留学先で長く付き合ったある友達から、私が最後に言われた捨てセリフです。
50代を迎えた今、振り返ってみると、20代の海外留学時代に、我儘な友達との人間関係に我慢を続けた末、ある日心の中で何かがブチっと音を立てて壊れた瞬間がありました。
これは、人間関係で「我慢の美学」に縛られていた私が、その固定観念を完全に覆した、20代の後悔と気づきの話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:50代女性(体験当時は24歳)
・関連カテゴリ:人間関係/海外留学/我慢の美学からの脱却
・体験時期:20代前半(海外留学時代)/50代の振り返り
・体験形態:実体験ベース
・後悔のテーマ:我儘な友達との海外留学で我慢の美学に縛られた20代の経験から、50代の今は「人間関係はリセットする勇気を持つ」という信念に到達
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
24歳で行った海外留学、自分勝手な友達と一緒に行く決断
短大卒業後、就職を経て、私が海外留学を決めたのは24歳の時でした。
ちょうど同じ頃、共通の友達の中に、私と同じく「海外に住んでみたい」と言っていた人がいて、自然な流れで一緒に留学することになりました。
彼女はとても愉快で面白くて、一緒にいたら楽しい人。けれど、自分勝手で我儘なところがあるのは、私も含めて共通の友達みんなが知っていました。
留学が決まった時、共通の友達が口を揃えて言ったのです。
「彼女と一緒に行って大丈夫…?」
それでも私は、行くことを選びました。
昔から我慢強いところがあると自負していましたし、自分さえ我慢して収まることなら、いくらでも我慢していける自信があったからです。
今振り返れば、その「我慢する自信」こそが、20代の私が抱えていた最大の落とし穴でした。
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小さい部屋に押し込められ、難病を盾に束縛された日々
留学先で最初に住むことになった住居には、二つの寝室がありました。
ひとつは、ボイラーが設置されていてとてもうるさい、物凄く小さい部屋。
もうひとつは、広くて快適な部屋。
彼女は「狭いところは嫌だ」と言って聞かず、私はすんなり折れて、ボイラーの音がするうるさい小さな部屋で寝ることになりました。
それだけならまだ、よくある同居の話で済んだかもしれません。
問題は、彼女が「私は100万人に一人の難病を患っている」と話していたことでした。
私が彼女以外の友人と出かけたり、少し帰りが遅くなったりすると、彼女は決まってこう言ったのです。
「難病の私を放っておいたまま、どうしてこんなに遅くなったの!?」
そのたびに私は謝り、彼女にどんどん束縛されていきました。
彼氏ができた途端「彼氏と私どっちが大事?」と責め立てられた
そんな日々の中、私には留学先で彼氏ができました。
本来なら祝福される話ですが、彼氏ができてからの彼女は、より一層理不尽さを増していきました。
彼氏との時間を彼女との時間より優先しようとすると、こう責め立てられたのです。
「彼氏と自分のどちらが大事なんだ?友達より男をとるのか?」
今でこそ「そんなの彼氏に決まってるじゃん」と冷静に答えられますが、当時の私は彼女に申し訳なくなって、彼氏との約束を断ったり、こっそり会ったりしながら、必死に彼女の機嫌を取ろうとしていました。
我慢に我慢を重ねた私は、家を出ようかと真剣に考え始めるようになっていました。
友達が他都市に引っ越した3ヵ月、平和を取り戻した時間
ところが、私が引っ越しを考え始めた矢先、彼女の方から先に言い出したのです。
「もうこんな所には住みたくない!田舎だし!私はもっと都会の町へ行く!よくこんなところで我慢できるね!?」
そして三ヵ月ほどの同居生活を経て、彼女は他の都市に一人引っ越していきました。
その後、共通の友達にことの顛末を話したら、こう言われました。
「数ヵ月でもあの子と生活を共にできていたのは凄いよ。良かったよ、離れられて!」
共通の友達がそこまで言うほど、私たちの同居生活は端から見ても異常だったのだと、その時にやっと気づきました。
彼女と離れた数ヶ月間、私は本当に久しぶりに穏やかな時間を過ごしました。
半年後に戻ってきた日、心の中でブチっと音がした瞬間
ところが、その彼女が、半年後にまた私のいる街に突然戻ってきたのです。
引っ越した街でまた気に入らないことが起きたのかもしれません。
その時はもう私は彼氏と住んでいたので、彼女と一緒に住むことはなかったのですが、付き合いは自然と再開しました。
そして再開した彼女は、以前にも増して本当に我儘でした。
彼女が街に戻ってきたあの日、私の心の中で、完全に何かがブチっと音を立てて崩壊していくのを感じました。
彼女と円滑な人間関係を築こうとする努力を、果たしてする価値があるのか?
それまで共通の友達にあれだけ「彼女から離れろ」と言われてもできなかったのに、本当にその瞬間、付き物が落ちたように、自分の中の固定観念が覆ったのです。
親に教え込まれた「我慢は美徳」の固定観念を覆した気づき
私が我慢の美学から長年抜け出せなかった背景には、子供の頃からの親の教えがありました。
両親は二人とも体育会系出身で、根性論を叩き込まれて育ちました。
学生時代も「人間関係で先輩には絶対服従」と教え込まれ、それは学校の先生に対しても同じでした。
どれだけ理不尽なことをされても「我慢しなさい、あなたが悪いのだ」と言われ続けてきたのです。
今思えば、ある種の洗脳に近い状態だったのかもしれません。
確かに、自分だけが我慢することで、人間関係は表面上は円滑になります。波風は立たず、相手とも良好に見える関係が続けられます。
でも、半年ぶりに彼女が戻ってきたあの日、私はようやく自分にこう問いかけられたのです。
・我慢する意味があるのか?
・なんのために我慢しないといけない?
・自分が我慢すれば穏便に済ませられる、という考えはどうなんだろう?
・自分だけが我慢するというのは、そもそも理不尽なのではないか?
それからの私は、堂々と彼女より彼氏を優先しましたし、彼女の我儘にも付き合わず、距離を置くようになりました。
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人間関係で悩むより孤独を選ぶ、50代の今もぶれない信念
留学期間を延長していくうちに、彼氏との結婚が視野に入るようになりました。
そのタイミングで、彼女はまた私の前から去っていきました。
最後に残した捨てセリフが、冒頭の言葉です。
「そんな相手と結婚するなんて、ずいぶんと理想を下げたね」
あの言葉を聞いた瞬間、私はもう何も傷つかなかったのを覚えています。
彼女との人間関係は、もう私の中で完全に終わっていたからです。
50代を迎えた今も、私は信念として持ち続けていることがあります。
人間関係において、何も我慢しなくていいなんてことはありません。お互いに譲歩しないといけないことは、友達関係でも夫婦関係でも職場の人間関係でも日々あります。
でも、片方だけが理不尽に我慢する関係はおかしいですし、我慢している方が病んでしまったら、その被害は計り知れません。
最近は「複雑な人間関係をリセットする人が多い」「人を切り捨てる風潮がある」と言われたりもします。
それを「冷たい」と評する人もいますが、私はそうは思いません。
病む前に人間関係をリセットすることは、果たして悪いことでしょうか?
病むほどに我慢したことのある人は、そんなに簡単にリセットを冷たいとは言えないはずです。
我慢の美学に縛られているあなたへ
私はこの友達との経験から、必要以上に自分に無理や負担のかかる人間関係は、潔く断ち切ってきました。
たとえ相手を傷つけてしまったとしても、それは自己防衛だと、正当防衛だと思っています。
人間関係で悩み続けるくらいなら、私は孤独を選びます。
人生も先が見えてきた今だからこそ、声を大にして伝えたいことがあります。
我慢にも限度があります。
あなたが今、誰かとの関係で「自分さえ我慢すれば」と思い詰めているなら、その「我慢」が本当にあなたを守ってくれるものなのか、一度立ち止まって考えてみてください。
人間関係は、生きていく上で本当に厄介なものです。
でも、それは「あなただけが我慢して維持するもの」では、決してないはずです。
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編集部より
この記事で印象的なのは、共通の友達全員が「彼女と一緒に行って大丈夫?」と止めたサインを、自分の我慢強さへの過信が打ち消してしまったことです。「我慢は美徳」と刷り込まれて育つと、相手や状況を問わず我慢すべきという思い込みに転化し、自分を守る判断力まで鈍らせます。海外という逃げ場の少ない環境では、束縛や性格の不一致が日本以上に表面化しますが、それでも「自分さえ我慢すれば」が止まらない。片方だけが理不尽に我慢する関係は健全ではなく、病む前に距離を取ることは、冷たさではなく自己防衛の線引きです。
困った時の選択肢
【一人で抱えて、もう限界に近い方へ】
「離れていい」と周りに言われても、渦中にいると自分では踏み出せないもの。第三者に状況を話してみるだけでも、我慢すべきかどうかの線引きが見えてきます。資格を持つカウンセラーにオンラインで相談できます。
→ オンラインカウンセリング cotree
そのほか、状況に合わせて選べる窓口もまとめておきます。
・まず自分の気持ち・「我慢しすぎていないか」を整理したい
→ 心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)
公的な窓口としては、よりそいホットライン(0120-279-338・こころや暮らしの悩みを無料で相談できる窓口)が、24時間つながります。
人との距離の取り方や、我慢しすぎない関係づくりをめぐる本も、たくさんあります。気になった一冊を、まず無料で試す方法もあります。
・読んでみる
→ Kindle Unlimited(30日間無料体験)
・聴いてみる
→ Audible(30日間無料体験)
我慢を続けていると、自分をいたわることまで後回しにしがちです。一日の終わりに、自分のためだけの時間をつくる——入浴剤やホットアイマスクは、頑張りすぎた日に、ほっと一息つきたい人に選ばれています。

