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無職の彼女に別れを切り出したら自殺された26歳の後悔、25年後も消えない

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彼女の車が、二週間、家の前から動かなかった。

最初の三日は、頭にきていた。
一週間経った頃には、さすがに苛立ちを通り越して疲れていた。
二週間目に友人を呼んで話し合いに行ったとき、彼女は車の中で、もう息をしていなかった。

📌 体験者プロフィール

性別:男性

当時の年代:20代

当時の状況:兄の経営する飲食店の一つを任され、店長として勤務。就業時間は長いものの翌日は休みという変則的な働き方で、年収は800万円ほど。祖母名義の市営団地で一人暮らし。

現在の状況:新しいパートナーと結婚し、生活している。

コンビニで出会った、夜勤明けの人

当時の私は、朝9時から翌2時までという変則的な時間で働いていた。
仕事が終わるのはいつも深夜過ぎで、帰り道に寄るコンビニが、唯一ほっとできる場所だった。

そこで働いていたのが、25歳の彼女だった。

何度も顔を合わせるうちに、少しずつ言葉を交わすようになって。
そのうち向こうから告白されて、付き合うことになった。

忙しい生活の中で、ちょうどよかった時間

付き合いはじめの頃は、驚くほど順調だった。

私の就業時間が普通ではなかったぶん、彼女とは時間の都合をつけやすかった。
彼女が夜勤のときは朝5時まで仕事で、私が家に帰ってすぐ寝れば、ちょうど入れ違いに会える。
彼女の仕事終わりに家に来てもらったり、休みの日はお昼からデートをしたり。
今思い返しても、あの頃は本当に楽しかった。

三か月で、彼女は仕事を辞めた

そんな生活は、交際三か月ほどで変わりはじめる。
彼女が、コンビニの仕事を辞めてしまったのだ。

正直、仕事を辞めること自体はそこまで気にしていなかった。
夜勤というのは夜型の人間でもきついと聞くし、時給の割に負担が大きい仕事だったとも思う。
そのうち自分に合う仕事を見つけるだろう。
そのときは、そのくらいに考えていた。

半年、そのまま無職だった

でも、半年経っても彼女は無職のままだった。

デート代はもともと私が持っていたけれど、無職になってから「あれを買ってほしい」「これも買ってほしい」という要求がどんどん増えていった。
まるで自分が財布として扱われているような感覚があって、それが正直、つらかった。

もともとは、私の変則的な勤務時間に合わせて生活を組み立ててくれる、気の利く人だと思っていた。
それだけに、働かないまま要求だけが増えていく彼女の変化に、どう向き合えばいいのか分からなくなっていった。

半年という時間が経っているのに働く気配がないことにも、不安を覚えるようになった。
このまま、彼女はずっと働かないんじゃないか。
祖母名義の団地で一人暮らしをしていた分、生活には多少の余裕があったからこそ、逆に「このままでいいのか」という焦りが強くなったのかもしれない。
そんな考えが、頭から離れなくなっていた。

一度目の別れ話

そこで一度、別れを切り出した。
ずっと仕事をしないままで、この先の将来は考えられない、と。

彼女は別れたくない、仕事も見つけるから、と拒んだ。
こちらとしても、働いてくれるなら別れるつもりはなかった。
だから「三か月、長くても半年以内には就職してほしい。それができなかったら別れる」ということで、いったん話し合いはまとまった。

約束の期限が過ぎて

けれど、半年経っても彼女は無職のままだった。

今度こそ別れようと決めたのに、彼女は諦めなかった。
仕事中に何度も電話がかかってきて、出ないでいると、家の前で私の帰りを待ち伏せするようになった。

そしてある日、彼女は刃物を手にして、「別れたくない」と迫ってきた。
このときばかりは、本気で身の危険を感じた。
その場は「別れない」となだめてやり過ごしたけれど、そんなやり方で気持ちが収まるはずもなかった。

私はその日から、家に帰らないようにした。
彼女の前から、姿を消す形になった。

家に帰れなくなった日々

それからはホテル暮らしが始まった。
三日ぶりに家に寄ってみると、彼女の車が家の前に停まっていた。

一週間経っても、まだ車はそこにあった。
さすがにここまでくると、こちらも腹が立ってくる。

二週間後、友人を連れて、ようやく話し合いに向かうことにした。

車の中で

けれど、彼女は車の中で、もう息をしていなかった。

警察の話では、自ら命を絶ったということだった。
このことは、私に強い衝撃を与えた。

世界で一番好き、命がけで愛している。
そんな言葉をよく耳にするけれど、そこまで言い合った夫婦でさえ離婚していく。
だから恋愛に命をかけるなんて、大げさな表現でしかないと、私はどこかで思っていた。

でも彼女は違った。
文字通り、私のために命をかけて、そのことを身をもって証明してしまった。

一週間、まともに食べられなかった

ここまで自分を想ってくれていた人に、どうして別れを告げてしまったんだろう。
これだけ想ってくれていたなら、彼女が無職だったことくらい、別によかったんじゃないか。
この先の人生で、これほど自分を想ってくれる人に、もう出会えないんじゃないか。

無職だったというだけで別れを決めてしまったのは、あまりに浅はかだったんじゃないか。
あの別れ話は、彼女をどれほど傷つけてしまったんだろう。

そんなことが頭の中をぐるぐると回り続けて、私を苦しめた。
恥ずかしい話だけれど、一週間くらいは、まともに食事も喉を通らなかった。

友人の言葉に、少しだけ救われた

そんな自分を立ち直らせてくれたのは、あの日一緒に来てくれた友人だった。

自分を責めてばかりいる私に、友人は「なぜ怒らないんだ」と言った。
家の近くでこんなことをされたら、この先も住みづらくなるはずだ。
よりによって当てつけのように、こんな形で死なれたんだから、迷惑だと怒ったっていいはずだ、と。

友人の言い分がすべて正しいとは、今でも思わない。
でも、ずっと自分を責め続けていた気持ちを、少しだけ楽にしてくれたのは確かだった。
確かに、友人の言うことにも一理あるのかもしれない、と思えた。

自分を責めることと、起きたことに怒ることは、本当は両方あっていいのだと、あとになって気づいた。
どちらか一方に決めなくてもいいと知れただけで、少し息がしやすくなった。

その言葉のおかげで、衰弱してどうにかなってしまうことだけは、免れたと思う。

25年経った今も、消えない後悔

あれから25年以上が経った。

友人のおかげで新しい恋愛をすることができて、今は結婚もしている。
それでも、ショックはずっと残ったままだ。

今でも夢でうなされることがあるし、彼女とデートした場所を通りがかると、当時のことを思い出す。

もしあのとき、彼女と結婚していたら、どうなっていたんだろう。
そんな考えが、今でも不意に頭の中に浮かんでくる。
そのたびに、あの頃のことを後悔している。

今の妻には、この話をまだ詳しくは伝えられていない。
伝えたところで彼女を困らせるだけだという気持ちもあるし、25年経ってもまだ、自分の中でうまく言葉にしきれていない部分があるからだと思う。
それでも、こうして誰かに話せるようになっただけ、あの頃よりは前に進めているのかもしれない。

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